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MEDLEYオフィシャルブログ

株式会社メドレーのオフィシャルブログです。

医療体験を再デザインする - コーポレートサイトリニューアルへの想い 

はじめまして、メドレーのデザイナーの波切と申します。
今年の7月に入社してから取り組んでいたコーポレートサイトのリニューアルを公開しました。これをきっかけに、リニューアルの経緯とメドレーのデザインのこれからについて少しお話しさせていただければと思います。

 コーポレートサイト:http://www.medley.jp/
 

医療体験を再デザインする

メドレーはインターネットを通じて医療ヘルスケア分野の課題を解決することを目指す会社です。

・医師がつくるオンライン病気辞典「MEDLEY

・遠隔診療ソリューション「CLINICS

・日本最大級の医療介護求人サイト「ジョブメドレー

・口コミで探せる介護施設の検索サービス「介護のほんね

現在は上記の4つのサービスがそれぞれに医療と介護にまつわる課題解決に向けて運営を行っており、メドレーのデザインの根幹も会社のミッション同様、医療ヘルスケア分野の課題を解決し、医療体験の再デザインを行っていくことにあります。

 

コーポレートサイトのリニューアルはデザインに対する意思表明

これまでのメドレーは専任デザイナーが不在だったため、サービスごとに様々なデザイン上の課題を抱えていました。そんななかで、入社して真っ先に取り組んだプロジェクトはコーポレートサイトのリニューアルでした。

これは、自身が入社して感じた社内の熱気と充実したサポートチームの存在から、「サービスを利用してもらうユーザーや医療施設の方に対してはもちろん、メドレーに興味を持っている方にもどのような人間がサービスを作り運営しているかを知ってもらいたい」と感じたことがきっかけとなっています。
さらに、開発をリードするCTOの平山はデザインへの理解も深く、デザイン体制の構築が始まったタイミングで「メドレーは事業面だけでなくデザイン面でも業界をリードしていく」という意思表示を込め、まずは会社の顔であるコーポレートサイトのリニューアルに取り組もうということになりました。

その結果として後藤武浩さんに人と社内の空気を写真と動画に収めてもらい、メドレーが持つ熱気のある力強さを掛け合わせたデザインに仕上げました。
リリースしてから間もないのでまだ評判は聞けていませんが、奇をてらわず、社内の雰囲気が見えデザインへの意識も伝えられるサイトが出来たのではないかと思っています。

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ユーザーファーストとパブリックマインド、大きいデザインと小さいデザイン

メドレーを「医療ヘルスケア分野のスタートアップ」として捉えていらっしゃるかもしれません。しかしメドレーは、その枠組みでは伝わらない大きな夢を持った会社です。代表取締役医師の豊田をはじめ社内には現在7名の医師がおり、「納得できる医療が実現できる社会づくりに貢献する」という想いを持って事業へ取り組んでいます。

先にお伝えしたようにメドレーは医療体験そのものをデザインし直そうとしており、UI/UX、HCDという「ユーザーが喜ぶか」という視点だけでなく、事業会社としての数値達成への視点ももちろん、「医療領域の課題解決につながるか」という社会的意義の強い視点と、多くの視点を持ってデザインに取り組んでいく必要があると感じています。

社会的意義が強く大きな夢を描くほど、多くの人を惹きつけるヴィジョンを見せ、実際のプロダクトも作り上げなければいけない必要があり、それらの取り組みをしていく上で「大きな視点への理解」と、人を惹きつけるための「細かい配慮と魅力あるアート(個でもあり美術でもある)」の両立がデザインの鍵と感じています。
デザインに求められることも多いですが、エンジニアとプランナーと協力しながら多くの人を幸せにできるサービスを作っていきたいと思っています。

 

ブレのない一つのストーリーを

デザイナーの大事な仕事としてサービスのデザインの他にもメドレーという会社と各サービスのブランド構築があります。

今回のコーポレートサイトもその一環で、ロゴのデザインやレギュレーション設計といった見た目の機能的な側面はもちろん、会社と各サービスの関係性を整理したサービスポートフォリオの管理、イベントや映像など様々な表現に寄与できるブランドコンセプトの管理をしていきたいと考えています。

幸いメドレーは創業から今までと各サービスの関係性には「医療ヘルスケア分野の課題を解決する」というブレのない一つのストーリーに集束出来ており、シンプルで強いブランド構築が出来ると感じています。
ブランド構築の手法も従来の「知ってもらうためにブランドイメージをばらまく」ようなものではなく、スタートアップらしく事業ドリブンでメディアやサービスサイトなどメドレーとの接点となる体験の質を上げて、良いブランドイメージを積み上げていくような方法をと考えています。

 

メドレーは堂々と王道を歩む

MEDLEYでは医療が必要な人・関わる人に対して最新かつ正しい情報を提供できるよう、350人を超える医師が匿名で多角的な検討とチェックを行う体制を築くことで、その品質を向上させています。CLINICSでは領域自体がこれから作られていく遠隔診療について、法的観点の見解を明確にし、医療機関と綿密にコミュニケーションを取るなど、適切な普及に向けて貢献しています。

ジョブメドレーでは医療現場の人材不足解決のために、離職中の資格保有者への復職や、都心に比べ情報へのアクセスが難しい地方求人の取り扱いにも注力するほか、求職者および医療施設の双方にむけたサポート体制を充実させています。介護のほんねにおいても急な施設入居が必要になった方・十分に施設を検討したい方のために相談員による電話サポートを行っています。

会社としても、それぞれの事業で真摯に課題とユーザーに向き合うことができるよう、社員がやりたい・やるべきことをスピード感をもって取り組むための体制づくりを目指しています。

事業がどのような社会貢献を果たしているかということは、ブランドとデザインを考える上で最も重要なことです。メドレーは、ユーザーはもちろん医療領域・社会全体へ貢献するためにあらゆるサービスを提供しており、余計な手を加える必要もなく今ある姿をシンプルにデザインへ落としこめる状態にあります。

医療領域においても、デザインにおいても、メドレーは堂々と王道を歩むことが出来る会社であり、そのデザインを出来ること・関われることはデザイナーとしても理想的な環境だと思っています。

 

未完成を楽しめるデザイナー

メドレーのデザインとこれからやっていきたいことについてお話しさせていただきましたが、デザイナーはとにかく人手が足りておらず、メドレーが描く大きな夢をブランドやサービスとして、抽象と具体を行き来して設計に落とし込めるデザイナーを募集しています。 

募集概要はこちら

会社や事業としてポテンシャルが高くその部分では良い仕組みが出来てきているのに、それに続くデザイナーの体制がまだまだ構築出来ていません。裏を返せばこれだけ可能性を秘めている会社のデザイン体制を0から構築出来る機会なんてそうそう出会えないと思う(自身がそう思って転職した)ので、未完成であることに魅力を感じ共感していただける人であればとにかく一度オフィスへ遊びに来ていただきたいです。

 

まだまだ始まったばかり

今日お話しした内容も、まだまだ「こうしたい」の域であってこれからどんどん実行していかなければいけません。
メドレーには経験豊富なエンジニアチームと理解のあるディレクター・プランナーしかいない、とてもデザインに集中出来る環境が揃っているので、これから成果が出るまで愚直にやり続けていきたいと思います。後々にはデザイナーコミュニティにも貢献していければと思っていますので、ぜひこれからもメドレーの動向を気にかけていただけますと幸いです。(そしてデザイナーの方はぜひ一度遊びに来てください!)

 

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遠隔診療の法的整理 〜連載第2回 「遠隔診療」と「遠隔医療相談」〜

オンライン通院システム「CLINICS」

こんにちは。メドレーの法務統括責任者の田丸です。

前回の第1回は遠隔診療にかかわる法的規制という固いトピックだったのですが、想定外に様々な読者の方から反響をいただきました。前回は法律の条文などを引用した固い話でしたが、今回は少し柔らかい、「遠隔診療」という言葉の整理をトピックにさせて頂きたいと思います。

Q:「遠隔診療」とはなんですか?

皆さんは「遠隔診療」という言葉を聞いてどのような状況を思い浮かべるでしょうか。言葉の語感からは、医師と患者が遠隔地にいて診療を行っている、という状況を思い浮かべると思いますが、「遠隔診療」を含む「遠隔医療」という大きな概念の中での分類を大まかにいうと以下のような分類になります。

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〜「遠隔医療」と呼ばれるものの分類〜 

上図で用いられている用語のそれぞれの意味は、以下の通りです(なお、それぞれの用語の定義は公式なものではなくあくまで私の個人的見解です)。 

  • 遠隔医療」:最も広義の概念。日本遠隔医療学会によれば、「遠隔医療(Telemedicine and Telecare)とは、通信技術を活用した健康増進、医療、介護に資する行為」と定義されています。従って、遠隔医療という言葉自体は、ヘルスケアや介護に関連したものも含むことになります。 
  • 隔診療」:遠隔医療のうち、医師が遠隔地の患者に対して診察・治療等つまり「診療」を提供する領域です。医師が患者への診療行為を行うため、医師法の規制を受けます。「D to P 遠隔診療」とは、Doctor to Patient (医師から患者に)の形式で行われる遠隔の診療を指した用語であり、上記の意味で用いられる「遠隔診療」の最も代表的な事例といえます。
    • なお、これに加えて「D to D 遠隔医療」という形で、地域の中核病院、特定機能病院や専門の診断センターの医師にX線写真やマンモグラフィー読影を依頼する、医師間での遠隔医療 / 遠隔診療などもあります。D to D の遠隔医療はかなり大きな広がりを持っており、トピックとしても非常に大きなものなので本稿では議論の対象外としています(上図の一番左側の矢印)。 
  • 遠隔医療相談」:遠隔医療のうち、医師等が遠隔地の患者に対して医療・健康に関連する相談を行う領域です。医師が提供することが原則ではありますが、診察や治療を行うものではなく、あくまでも相談行為の領域であることから、医師法の規制を受けないと考えられています。「D to P 遠隔医療相談」とは、上記のD to Pと同じくDoctor to Patient (医師から患者に)ではあるものの、あくまでも特定の疾患に対する診療ではなく、「相談」を提供するもの、という点に特徴があります。

 

  • 遠隔服薬指導」:こちらは、医師によるものではなく薬剤師による行為に関連する領域です(「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(いわゆる薬機法)」の規制対象)が、皆さんが診療を受ける際に関連してくる領域です。皆さんが医療機関を受診し、処方せんで」医薬品を処方してもらった場合、その処方せんを調剤薬局に持参した上で医薬品を購入すると思います。その際に、薬剤師が用法・用量についての説明や飲み合わせなどについての指導をしてくれるとおもいますが、これが「服薬指導」と呼ばれる行為です。この服薬指導は、現在薬剤師については患者と対面で実施することしか認められておらず、遠隔服薬指導という行為は現時点では存在しないのですが、平成28年の国家戦略特別区域諮問会議において、規制緩和が提案されています。遠隔診療における医薬品の処方については、次回の第3回のトピックとして取り扱う予定です。

 

上記の各領域のうち、当社が提供する遠隔診療ソリューションCLINICS (クリニクス)は、実際に医療が実践されている場の一つである「遠隔診療」の領域において、医師が遠隔地にいる患者に対して(D to P)診察や治療を提供するために用いられることを想定したサービスとなっています。この領域は医師法の規制対象のため、「対面診療と適切に組み合わせた形でのオンライン診療が行われなければならない」というような厚生労働省からの通達や、医薬品の処方に関連する各関連法規を調査し、法規制に沿った形でより良い遠隔診療サービスが提供されるよう細心の注意を払ってサービスを設計しています。 

〜「遠隔医療相談」とは?〜

他方で、上記の領域のうちの「遠隔医療相談」とは、相談を受ける側の医師が、相談者である一般人(患者)に対して医療に関する相談を受けて、一般的・抽象的なアドバイスを提供するものです。

D to P の遠隔医療相談の事例では、医師が患者からの一般的な健康相談に対してアドバイスを提供することになりますが、実際の状況としては以下のようなものになります。

例:ある患者から医師に対して

患:「なんだか心臓の辺りが痛い気がします。ネットで検索したところ●●、▲▲、■■のような病気の可能性がありそうなのですが、実際どうなんでしょうか?」

という相談をして、それに対して医師が色々と質問をした上で

医:「それは一般論としては肋間神経痛の可能性が高そうですね。不安であれば医療機関を受診してみてください」

という回答をする。

私自身も、ちょっとした体の不調で病院に行くかどうかを迷うことがありますし、このような「相談」をするニーズはあるのだと思います。実際にも、この「遠隔医療相談」や「遠隔健康相談」に特化したサービスも登場してきています。

ここで重要なのは、遠隔医療相談はあくまでも相談であり、患者の健康状態について医師が一般的・抽象的な回答・アドバイスをするもので、個別具体的な回答・指示を行うものではないものとされている点です(=「診療」ではない)。「診療」ではなく一般的な「相談」であることから、「遠隔医療相談」は医師法の適用対象とは考えられていないのですが、実際の場面において「どこまでが相談で、どこからが診察・診断行為なのか」についての線引きはどうしても曖昧になりがちで、法適用の有無や法的責任の所在についての整理が難しくなってしまう、という懸念が挙げられています。

実際に世の中に存在するニーズに対応するものとして生まれてきているサービスではあるので、一概に法的責任の所在の曖昧さや、医師法の適用対象でないことの是非だけを論点として議論をすべきではないのはもちろんですが、「遠隔地にいても医師からの医療サービスを受けることができる」という医療における新たなサービス形態が、患者の安心感・納得感が得られる形で適切に広まっていくためには、患者の声、現場の医師の声を聞きながら、適切な遠隔医療のあり方について積極的な議論が行われていくことが非常に重要だと思っています。

当社は、今後も遠隔診療についての患者の皆さんの声、現場の医師の皆さんの声に耳を傾けながら、より多くの「納得できる医療」を実現するためにチーム一同尽力していきます。

遠隔診療ソリューションCLINICSの導入に興味がある、まずは説明を聞いてみたい、という医療従事者の方は、是非お気軽にお問い合わせください。

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 さて、結局前回と同様に最後は固い話になってしまいましたが、また皆さんからフィードバックなど頂ければ幸いです。次回は、遠隔診療における医薬品の処方の問題について取り扱いたいと思います。乞うご期待!

 

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株式会社メドレー 法務統括責任者 田丸 雄太

2007年東京大学法学部卒、2008年東京第二弁護士会登録(61期)。2008年より大手外資系法律事務所にて弁護士としてクロスボーダーM&Aや一般企業法務のアドバイザリー業務に携わった後、大手商社のM&A推進部門への出向経験を経て、2016年にメドレーに参画。大手商社出向時代には、メディカル・ヘルスケア部門の海外向け投資案件などにも多く関与。

病気事典MEDLEYに、より深く、まとまった情報が加わりました

オンライン病気事典「MEDLEY」

病気事典MEDLEY(メドレー)監修医師の沖山です。このたびMEDLEYに、病気や症状ごとの詳しい情報が追加されました。これまでと比較して更に深い情報が集まり、病気によっては本1冊分を上回る情報量が、患者目線の言葉で記されています。

MEDLEYはこれまで、病気事典として1400の病気を幅広くカバーすることを念頭に進めて参りました。1400というと大学の医学教育でカバーされる範囲の病気がおおむね含まれる数にあたりますが、次のステップとして今回、病気や症状ごとに深く、より真剣なニーズに対する解説ページを作成しました。

  例:「バセドウ病」解説ページ  「頭痛」解説ページ

 

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病気事典MEDLEYは、まだ病気かどうか分からないという方から、実際に診断されて治療を受けている患者さん、そして、その方々を支えるご家族や周囲の方を読み手として意識しています。この方々の中には「ざっくりとでいいから病気の全体像を知りたい」という方もいれば、「最先端の研究結果を含めて、ありとあらゆる情報を知りたい」という方もいます。どちらか一方だけを向いた情報サイトはいくつかありますが、両方の深さの情報を集約しているものはほとんどありません。

自分の病気や症状について正しい知識を得たいというのは、誰もがもっている思いではないでしょうか。しかし、多くの病気については「簡単に全体像をつかんでから、詳しい内容を知る」ことができる場がないために、いくつものウェブサイトを行ったり来たりしなければならない現状がありました。

 

今回MEDLEYでは、「◯◯病の基礎知識」、「もっと詳しく◯◯病」といったそれぞれの深さの情報を用意したことに加え、海外の最新研究を翻訳して病気ごとに紹介する「MEDLEYニュース」、そして病気ごとに条件にあった病院が見つけられる「医療機関検索システム」が揃ったことになります。

医学的な情報として、その病気の全体像、より詳しい情報、そして最先端の研究といった様々なニーズそれぞれに答えつつ、実際にその病気ではどの診療科を受診すべきなのか、また、近所でその診療科のある病院はどこなのかといった受診案内までが、一つのサイト内で完結するようになりました。

 

誰もが病気のときには、体も心も辛く、少しの負担でも大きく感じてしまうものではないでしょうか。そのようなときに、まずMEDLEYを見れば必要な情報は揃っている、また、インターネットが満たせる医療ニーズはMEDLEYを見ればそこですべて解決できる、といったサービスに、一歩ずつ近づいているのではないかと思っています。

今回リリースした、より深い情報については、病気事典上でまだカバーできていない病気も数多くあります。問い合わせが多く、困っている方が多い病気から、今後も拡大予定です。日々メドレーの編集に関わっていただいている全国360名の医師とともに、これからもより良いサービスを作れるよう尽力いたします。

患者さんやそのご家族、そして医療者の皆さまも、ご意見・ご要望などありましたら是非お寄せいただきまして、そして、どうぞ引き続きMEDLEYを応援いただけますと幸いです。

 

ニュースリリースはこちら

オンライン病気事典「MEDLEY」の提供情報を拡充
病気・症状ごとの詳細情報を、医師が最新の論文や知見をもとに解説

 

「症状チェッカー」、「症状チェッカーbot」をリリースしました

オンライン病気事典「MEDLEY」

 医師たちがつくるオンライン病気事典MEDLEY(メドレー)、監修医師の沖山です。このたびメドレーで、「症状チェッカー」、そしてFacebook Messenger向けの症状チェッカーbot」をリリースいたしました。

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 症状チェッカーは、自身の症状を入力することで該当する病気を調べられるもので、「せき」「発熱」と入力すると風邪や肺炎、インフルエンザといった病気を始め、頻度の高いものから低いものまで当てはまる疾患が順に表示されます。年齢や性別ごとの病気の可能性の違いにも対応し、例えば「30代 男性」と条件を設定した時には風邪の次に表示されるのが気管支炎なのですが、これが80代の高齢者であれば肺炎が上位に来るようになります。冬であればインフルエンザがより上位に表示されますし、これからの季節で暑さが増せば熱中症が上位に表示されるようになるはずです。

 また、それぞれの病気に対して受診すべき診療科が表示されたり、その診療科のある病院を近くから探せたりする機能もついています。「東京都港区にある病院のうち、◯◯病に対応できる診療科があり、かつその専門医のいる病院」といったように複数条件から希望通りの医療機関を検索することができます。

 この症状チェッカーの機能をFacebook Messengerアプリに対応させ、メッセージをやりとりするだけで該当する病気が確認でき、関連病院の検索が可能となったものが症状チェッカーbotです。医学のような難しく感じられる分野においても、「調べる」という行為がより自然かつ直感的な形で実現できるようになりました。

 

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 医師の脳内をソフトウェア化した症状チェッカー

 症状チェッカーは病院での医師の思考プロセスを再現する形で作られました。診断を行う上で医師が考えるのは、

  • その病気はどのくらい頻度の高い病気か
  • 今ある症状にその病気がどの程度当てはまっているか
  • 病気ごとの男女差
  • 病気ごとの年齢差
  • 病気の季節ごとの流行

といった事柄です。これらの変数はメドレーに登録されている1,400以上の病気についてそれぞれ値が設定されており、このデータを元にベイズ推定(確率分布に、与えられた条件を掛けあわせて推測精度を高めていく手法)によって該当する病気を順に導き出します。

 このような模擬診断システムにおいては、メドレーの症状チェッカーとは異なる手法として、1,400の病気を単純に条件分岐でふるいにかけていくような方法も考えられます。「1,400のうち発熱が出る病気は300、そのうちせきが出るのは50、…」と候補を絞っていくような手法です。しかし条件分岐では一つ間違えて回答した時点で可能性が除外されてしまう点に対応しづらく、また年齢・性別ごとに枝分かれの異なるツリーを無数に用意しなければならないという煩雑さが避けられません。そして何よりも実際の医療においては、一つの病気といっても様々なバリエーションがあり、熱が出ないかぜもあれば、胃腸炎でじんましんが出ることも(そして出ないことも)あるという問題があります。それら全てのマイナーな可能性もカバーした上で条件分岐を作ろうとすると、いくら条件を追加しても可能性がふるい落とされずに候補を絞り切れないという問題が生じてしまいます。

 

 医療は自動化されていくのか

 症状チェッカーの話をすると、「そうやって医療が自動化されていって、医者いらずになるんですね」といった反応が返ってくることがあります。確かに、将来的に医療 × IT、特に機械学習が医療にもたらすインパクトは、過去に比肩するものがないほど大きなものになりそうです。機械学習を踏まえた、症状チェッカーのようなソフトウェアの未来はどうなっていくのでしょうか。そして、医療のうち、まず始めに自動化されていくのはどの部分なのでしょうか。

 GoogleのAlphaGo(人工知能囲碁プログラム)がプロ囲碁棋士のイ・セドル氏に勝利したことは記憶に新しく、もはや人間が人工知能に勝てるゲーム(完全情報ゲーム)は残らなくなってしまいました。医療においても、与えられた情報が同じであれば診断の精度は人工知能の方が高くなるというのは既に見られ始めている現象で、この流れが更に進むのは良くも悪くも時間の問題です。「人工知能は胸の音も聴けないし、レントゲンだって読めない」というのは必ずしも正しくなく、心音のデータを元に診断を提示するシステムは10年前から論文化されていますし(この分野での10年間がもたらす進歩については言うまでもありません)、Enlitic社が提供する、無数のレントゲンから肺がんを検出するAIは、熟練した放射線科医の目を凌ぐ精度をディープラーニングによって達成しています。

 お腹に手を当てることで医師は様々な情報を同時に収集しますが、機械が追いついていないのは、その情報をデータ化してソフトウェアにインプットするインタフェースの開発に過ぎません。一旦データ化されてしまえば、それを処理するという本来人間らしいはずの分野については、既にAIの方が進歩しているという現状があります。

 このような技術の発展は指数関数的ですが、それが広まるのには人的・地理的・金銭的制約があるため、一次元低い(が相変わらず指数関数的な)スピードです。医療の大部分がAIに置き換わるのにはまだ乗り越えなければならないハードルが残されています。しかし、ライト兄弟が飛行機を飛ばしてみせるまでは機械が空を飛ぶことは科学的に不可能であると「証明」がなされたり、一昨年までは「囲碁でAIがトッププロに勝つにはあと10年かかる」と言われたりしていたことからも分かるように、人間は指数関数的な将来を予測することを得意としません。新聞紙を40数回折ると月に届くと言われても腑に落ちないのも同じような話です。医療がAIに置き換わる(置き換わってしまう)のが5年先か50年先かは分かりませんが時間の問題とも考えられ、またそれが何年先であろうと、その時期が直感に反するほど早い時期であるという予測は立てることができます。

 

 医療の自動化を阻むのは人間か

 私自身は医師として、医師の仕事がAIに置き換わっていってしまうことに、やはり残念な気持ちも感じます。しかし人間が今まで通りの人間である限り、たとえAIの性能的には医療を全て置換できるようになったとしても、医療の一定部分は当面このままであり続けると考えています。それは、医療が提供できるのは治療や情報だけでなく、「納得感」でもあるためです。

 例えば医療がAIによって完全に自動化できるようになったとすると、

  • この場面で最も効果の高い治療法はこれ
  • この場面で最も費用対効果の高い薬はこれ
  • この場面で最も納得できる(医師の)説明の仕方、言葉の選び方はこれ

という判断をAIができるようになります。それは大きな変化ではあるのですが、それでも医療(をはじめその他の対人産業)がAIに置き換えられるのには時間がかかります。それは、サービスに対して人が求めるのはモノやファクトだけではなく、納得感だからです。機械とソフトウェアの進歩にはあまり時間がかからないかもしれませんが、AIから人間が納得感を得られるようになるのには時間がかかります。つまり、AIの実用化の律速段階は、ソフトウェアではなく人間の価値観の変化にあると言えます。

 全く同じ料理を食べても「この道60年の職人が作りました」というのと、自動販売機から出てきた料理とでは満足度が違うように、人は「塩分と甘みと旨味成分が最高比率で混ぜ合わさった料理」を求めるわけではありません。同じ治療法を同じ言葉で勧められたとしても、人間とAIが勧めるのには(例え科学的な差はなくても)納得度に差が生じます。それは、AIを正当に評価できないという単なる人間の解釈の誤謬なのかもしれませんし、一方でむしろその解釈の差こそが人間が人間たる由縁で、AIはやはり人間にまだ及ばないということなのかもしれません。

 ソフトウェアの精度だけで言えば、あと5年もすれば医学的判断のそれなりの部分はAIに置換され得てしまう気さえします。しかし、実際に医師の仕事の多くがAIに置換されるのには、その倍、または更に倍くらいかかるのかもしれません。

 

症状チェッカーは生身の医師と共存できるのか

 今回リリースした症状チェッカー、そして症状チェッカーbotは、病院の中の医療を大きく変えるものではありません。医師が胸の音を聞いて、手を当てて、検査をした方が診断結果の精度も納得感も上回ります。そのような中で、これらのソフトウェアがもたらす価値はどこにあるのでしょうか。

 一つには、病院へ行く前のガイドとしての役割が挙げられます。医師不足が解決する見込みが立たないままである昨今、とりあえず病院へ行けば常に最高の医療が受けられるというわけではありません。餅は餅屋と言うように、同じ条件であれば適切な診療科のある病院やクリニックを受診した方が患者も医師も幸福なはずです。たとえば、めまいを見る専門診療科は耳鼻科とされていますし、頭痛を見る専門診療科は神経内科です。しかし、このようなことは広く十分に知られているでしょうか。症状チェッカーはただの見世物ではなく、限定された情報から分かる範囲内で、適切な診療科や医療機関への受診を促すシステムでありたいと願っています。限られた医療者のリソースを奪うことなく医療の適正化を達成するシステムの必要性は論をまちません。そして、それがウェブサイトのいち機能であればPCやスマートフォンを使えないご高齢の方にはアクセスが難しくなりますが、botならば音声認識でも、またはPepperのようなロボットに搭載して対話をしてもらうだけでも使用可能となります。

 もう一点は、医療者が使用するツールとしての可能性です。自身の専門とは異なる症状をもった患者が目の前に現れたとき、医師はどうすれば良いのでしょうか。その時点でできるベストを尽くし、分からない部分は専門の医師を紹介するのが最善と思います。しかし、例えば電子カルテに打ち込んだ文章から症状を自動的に拾い上げ、該当する病気やそれぞれを区別する上で行うべき検査などが表示されたらどうでしょうか。あるいは、稀だけれど見逃してはならない病気をアラート表示してくれたら、当直翌日も連続勤務で集中力の低下した医師のサポートにつながらないでしょうか。今回の症状チェッカーは医師の専門分野においてそれを上回ることを目指しているわけではありませんが、どのような医師にでも専門外の分野があります。そのような領域を少しでも補うことができるシステムとして、疲れ知らずに毎回同じ精度で病気を検索できるというのはソフトウェアの強みです。

 

 私は東京の都心部にある救命救急センターから北海道、沖縄県の離島まで、複数の現場で医療に従事してきました。そして、日本中には様々な形をしたまだ見ぬ「医療」が存在しています。しかし私の見た限り、そしておそらくまだ見ぬ現場であっても同様に、現場では医療の需要に対して供給が追いついていません。

 これは治療を受けられる、受けられない、というだけの話ではありません。納得がいくまで医師に質問できるか、自分の体調についての疑問がすべて解決したか。そのような観点から考えたときに、多くの現場では命を救うことや病気を治すことが優先されて、そこで行われている治療の意味や背景に至るまでの深い説明を受けることは難しいと思います。それは医療資源に限りがある現状では、ある意味避けられないことです。メドレーは、ITと医療を結びつけることでこの問題を解決すべく、これからも一歩ずつ歩を進めてまいりたいと思います。

 

ニュースリリース・問い合わせはこちら

温泉浸かりながら開発(開発合宿@おんやど恵)

エンジニア

文責:徐聖博(ダーツプロ

日常業務で後回しになっている課題を合宿で

メドレーには開発本部という、エンジニア・デザイナー全員が所属する組織があります。

蓋を開けてみると、チームに分かれていて、各々のプロダクトを担当しています。

そのため、社内のシステム整備や、プロダクトを横断してやるようなプロジェクトは日常的にやる機会がありません。

今回の合宿では、各プロダクトのメンバーをシャッフルし、4チームに別れ各々の課題を解いてもらう形式で合宿を行いました。

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プロダクトメンバーをシャッフルして4チームに

 

ということで、湯河原に合宿しに来ました

今回の合宿地は、神奈川県湯河原。

都内から、特急乗って1時間ちょっとなので、立地的には十分近い場所。

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意外と都内から近くてびっくり

 

駅からバスで約7分、そこは「理想郷」であった

駅からバスに約7分乗り、「理想郷」という名のバス停で下車。

今回の合宿地であるおんやど恵は、バス停のすぐ目の前にありました。

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無事に宿について喜ぶ新居さん

早速、開発開始

今回の合宿は事前に課題を設定し、4チームに分けそれぞれ開発を進めていくスタイル。

開発中は、普段あまり関わりがないメンバーとも和気あいあいと、チームで開発を進めました。

1日目は各チーム深夜まで開発が続きました。

みんなさん開発好きですね。

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普段と違うメンバーでやる開発はとても学ぶことが多かったようです

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お互いのもつ知識を共有しつつ、相談しながら開発

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ホワイトボードを使ったディスカッションも白熱しました

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会社ではできないこんな体勢での開発も合宿なら可能!!

なんといっても温泉と美味しいごはん

おんやど恵にしてよかったなと思ったのは、なんと言っても温泉とご飯でした。

24時間入れる足湯から、大浴場の露天風呂といい最高でした。

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足湯。タオルがあるので手ぶらでいけます

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1日目夕食。もっとたくさん料理が出てきました。

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2日目朝食。とても量があって朝からお腹いっぱい!

 

お楽しみイベントでボーリング

1日目の夜には、近くにあるボーリング場でみんなでボーリングをしました。
トップのスコアは後藤さんの178。久しぶりにやる人とは思えないスコアでした。

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トップのスコアは後藤さんの178。冷静にすごい

 

最終成果物発表会

2日目は、お昼におんやど恵を出発し、湯河原駅前にある湯河原商工会の会議室を借りてしばらく開発した後、最終成果物を発表しました。

 

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湯河原商工会館

 

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iOSアプリチームの発表

 

最後に

いつも会社に引きこもってる開発部でしたが、

たまには社外で温泉に浸かりながら開発はいい気分転換になりました。

また、普段一緒に開発しないメンバーと一緒に開発することで、非常に多くの新しい学びがあり、とても良い合宿となりました。

是非、また温泉に行きた。。。

じゃなかった、開発合宿行きたい!

 

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2016年5月28日(土)株式会社メドレー開発本部@おんやど恵

遠隔診療の法的整理〜連載第1回 遠隔診療にかかわる法的規制と規制緩和〜

オンライン通院システム「CLINICS」

皆さん初めまして。メドレーの法務統括責任者の田丸です。

今年の2月に当社がリリースした遠隔診療ソリューション「CLINICIS(クリニクス)」は、おかげさまで既に多くの医療機関に導入して頂き、徐々に患者さんへの遠隔診療の提供を始められています。

遠隔診療は既に世界では広まってきているシステムです。当社でも、遠隔診療が日本の医療における価値ある一歩になると考え、患者の利便性の向上、慢性疾患における受診継続率の向上、早期治療介入による重症化予防などの様々なニーズを考慮しつつも、最も大切な「医療の質」を疎かにしないためにはどうすべきか、という点を社内医師・社内弁護士を含む倫理委員会で日夜協議をしています。当社のCLINICSチームは、遠隔診療が対面診療との適切な組合せによって行われるべきこととを強調しながら、当社の社是である「納得できる医療」を実現するため、普及活動に尽力しています。

また、CLINICSの導入が進むにつれて世の中での遠隔診療に対する認知度が高まり、様々なメディアでもご紹介頂けるようになってきています。 この反響の高まりの中で、医療機関の皆さんからの遠隔診療の法的側面への問い合わせも増えてきており、今回当社のオフィシャルブログのCLINICS特別企画として、遠隔診療に関する法的な疑問への整理を連載形式でわかりやすくまとめていくことにしました。以下が連載テーマ(予定)ですが、皆さんからの声を頂きながら、より皆さんの興味・疑問に答える連載にしていきたいと思っています!

第1回:遠隔診療にかかわる法的規制と規制緩和
第2回:遠隔診療と「遠隔医療相談」 
第3回:遠隔診療に関連する医薬品の処方について
第4回:遠隔診療における保険診療自由診療
おまけ:遠隔診療に関連するお役立ちリンク集
 

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CLINICSのアンバサダーにもなっていただいている、新六本木クリニック(東京都港区六本木)の来田誠医師と、遠隔診療の法的規制について意見交換

Q:遠隔診療は法的には問題はないのですか?

まず、第1回目の今回のテーマは、「遠隔診療」が現在の法規制上適法なものなのか、という点を扱いたいと思います。結論としては、現時点での法規制及び厚生労働省からの通達を踏まえると、「医師と患者が直接対面して行われる対面診療と適切に組み合わせた上で医療の質に十分配慮して行われる限りにおいては、医師法上の「診察」として適法である、といえます。

いわゆるDoctor to Patientタイプの、「医師が遠隔地にいる患者に対して通信技術などを利用して診察を行う遠隔診療(以下単に「遠隔診療」と呼びます。)」は、長年に渡って「離島・へき地で慢性疾患を患っている患者に提供できる限定的な診療」という理解であったものが、平成27年の厚生労働省の通達以降、「都市部在住の多忙なビジネスマンで花粉症を患っている患者に対してもオンライン診療を提供できる」というものに変わり、遠隔診療は一気に注目を浴びるようになりました。

厚生労働省による平成9年の遠隔診療通知〜

まず前提として、医師法第20条は医師が「診察」を行うものと定めており、遠隔診療がこの「診察」に該当しなければ、遠隔診療による医療行為は「無診察医療」ということになり、違法なものとなってしまいます。

医師法第20条:「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付(中略)してはならない」

これについて厚生労働省が出した平成9年の遠隔診療通知(平成9年12月24日健政発第1075号厚生省健康政策局長通知)は、初めてこの医師法第20条の「診察」の問題についての解釈指針を示したものです。この平成9年遠隔診療通知は、「基本的考え方」として「医師法第20条等における『診察』とは、問診、視診、触診、聴診その他の手段の如何を問わないが、現代医学から見て、疾病に対して一応の診断を下し得る程度のものをいう。」としつつも、「したがって、直接の対面診療による場合と同等ではないにしてもこれに代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、遠隔診療を行うことは直ちに医師法第20条等に抵触するものではない。」と明言しました。

つまり、「診療は、医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本であり、遠隔診療は、あくまで直接の対面診療を補完するものとして行うべきものである。」という前置き付きではありますが、ここで初めて遠隔診療は医師法上の違法行為とならない場合があるということが明らかにされたのです。

ただ、以下の通りの「留意事項」が付けられていたため、医療界の解釈としては「遠隔診療は対面診療を補完するものとして実施するぶんには違法ではないが、①平成9年遠隔診療通知の別表に定められたような特定の慢性疾患などに対するものや、②離島・へき地の患者に対するものに限定されるべきものであり、かつ、③初診は必ず対面診療によらなければならない。」というものとなってしまい、遠隔診療は全国的な広がりを見せることはありませんでした。

「平成9年遠隔診療通知に記載された「留意事項」(抜粋)」

(1) 初診及び急性期の疾患に対しては、原則として直接の対面診療によると。


(2) 直接の対面診療を行うことができる場合や他の医療機関と連携すること により直接の対面診療を行うことができる場合には、これによること。

(3) (1) 及び (2) にかかわらず、次に掲げる場合において、患者側の要請に基づき、患者側の利点を十分に勘案した上で、直接の対面診療と適切 に組み合わせて行われるときは、遠隔診療によっても差し支えないこと。

 ア 直接の対面診療を行うことが困難である場合 (例えば、離島、へき地 の患者の場合など往診又は来診に相当な長時間を要したり、危険を伴うなどの困難があり、遠隔診療によらなければ当面必要な診療を行うことが困難な者に対して行う場合)


  イ 直近まで相当期間にわたって診療を継続してきた慢性期疾患の患者など病状が安定している患者に対し、患者の病状急変時等の連絡・対応体 制を確保した上で実施することによって患者の療養環境の向上が認められる遠隔診療(例えば別表に掲げるもの)を実施する場合

まとめると、平成9年の遠隔診療通知は確かに遠隔診療自体は医師法上適法なものとして行い得ることを明らかにしたものの、それが許される状況として以下のような場合にしかないというものが医療界における原則的解釈でした。

  • 都市部在住で、相当期間慢性的に糖尿病を患ってきた患者に対して、初診は対面診療を行った上でテレビ電話等情報通信機器を通して、血糖値等の観察を行い、糖尿病の療養上必要な継続的助言・指導を行うこと

  • 離島・へき地在住で、例えば睡眠時無呼吸症候群を患っている患者に対して、初診は対面診療を行った上で、テレビ電話等情報通信機器を通して、診療を行うこと

 〜厚生労働省による平成27年の遠隔診療事務連絡〜

平成9年の遠隔診療通知により遠隔診療が行い得る場合があること自体は明らかになったものの、上記の①〜③のような制限付きでのみ許されるという解釈が長年に渡ってされていました。そこでこの①〜③の限定すべてについて、必ずしもそういうわけではないよ、という追加の解釈を示したのが厚生労働省による平成27年の遠隔診療事務連絡(平成27年8月厚生労働省医政局長事務連絡)でした。この平成27年事務連絡では、以下の点が明らかにされ、遠隔診療が実施できる「地理的範囲」、「対象となる疾病」、及び「場合(初診対面診療が必要かどうか)」という意味で遠隔診療が可能な範囲はかなり広いものである、ということを世間に周知させることとなり、多くの医療従事者の注目を集めることになりました。

① 平成9年遠隔診療通知の留意事項での「離島・へき地の患者」というのはあくまでも例示であり、都市部の患者に対する遠隔診療が妨げられるものではないこと

② 平成9年遠隔診療通知の「別表」に掲げられている遠隔診療の対象及び内容は、あくまでも例示であり、遠隔診療はそれ以外の疾病・診療科目についても行うことができるものであること

③ 患者側の要請に基づき、患者側の利点を十分に勘案した上で、直接の対面診療と適切に組み合わせて行われるときは、直接の対面診療を行った上で遠隔診療を行わなければならないものではないこと、即ち初診が必ず対面でなければならないわけではないこと

〜平成27年遠隔診療事務連絡後の広がり〜

平成27年遠隔診療事務連絡により、従来解釈上存在するとされてきていた上記①〜③の制限が例示列挙に過ぎないものであったことが確認され、以下のような状況でも遠隔診療による診療が行い得ることが明らかになりました。

  • 都市部在住で、睡眠時無呼吸症候群を患っているものの業務が多忙でなかなか継続受診を実現できていない患者に対して、3回の診察のうち1回のみ対面診療とするのを原則とするなど、直接の対面診療と適切に組み合わせた上でオンラインでのビデオ通話による診療を行うこと
  • 離島・へき地ではないものの地方都市の郊外在住で花粉症を患っているものの、移動手段を十分に持ち合わせておらず、なかなか病院に行けない患者に対して、直接の対面診療と適切に組み合わせた上でオンラインでのビデオ通話による診療を行うこと

このように遠隔診療の可能性が大きく開けたことで、様々な医療機関、企業が遠隔診療サービスに興味を持ち、色々な形で遠隔診療を実施する事例が現れてきました。

しかしながら、厚生労働省の通知・事務連絡は、遠隔診療はあくまでも「直接の対面診療と適切に組み合わせて行われる」ことが必要であるという点は維持しており、対面診療を一切行わず、遠隔診療のみで診療を完結させることを想定したタイプのサービスについては、その法的適合性に一定の疑義が存在していました。

その中で厚生労働省は、先日平成28年3月18日付事務連絡(医政医発0318第6号)で、東京都からの疑義照会に回答する形で、このような事業についての考え方を示しました。当該事務連絡の中で厚生労働省は、「対面診療を行わず遠隔診療だけで診療を完結させることを想定した事業」が存在することに触れつつ、「(当該事業が)電子メール、ソーシャルネットワーキングサービス等の文字及び写真のみによって得られる情報により診察を行うものである場合は、(中略)『直接の対面診療に代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報』が得られない」こと、また、「(当該事業が)対面診療を行わず遠隔診療だけで診療を完結させるものである場合は(中略)直接の対面診療を補完するものとして行われて」いないことを根拠に、このような事業は無診察治療を禁止した医師法第20条に違反するものだという解釈を明らかにしました。

かかる平成28年の事務連絡が公開された後、厚生労働省の解釈が「初診は必ず対面で行われなければならない」という方向に揺り戻した(=実質的に平成27年の事務連絡の内容を否定した)との誤解もありましたが、日経メディカルの記事などにおいても、「対面での診療を一切行わない想定でネット診察だけで行われる診療行為は、(中略)無診察治療に相当する違法行為であることが改めて示された格好」だという理解をすべきとの訂正報道が行われています。この平成28年事務連絡の後、ますます「直接の対面診療と適切に組み合わされた形」での遠隔診療の普及・推進が大きな課題事項となってきています。 当社でも、医療機関の皆さんに遠隔診療ソリューションCLINICSを導入支援する際には、直接の対面診療と適切に組み合わせた形で行って頂くことをお願いしております。 

遠隔診療ソリューションCLINICSの導入に興味がある、まずは説明を聞いてみたい、という医療従事者の方は、是非お気軽にお問い合わせください。 

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株式会社メドレー 法務統括責任者 田丸 雄太

2007年東京大学法学部卒、2008年東京第二弁護士会登録(61期)。2008年より大手外資系法律事務所にて弁護士としてクロスボーダーM&Aや一般企業法務のアドバイザリー業務に携わった後、大手商社のM&A推進部門への出向経験を経て、2016年にメドレーに参画。大手商社出向時代には、メディカル・ヘルスケア部門の海外向け投資案件などにも多く関与。

マネーフォワードさん・Sansanさんとエンジニア勉強会を開催しました

エンジニア コーポレート

5/11(水)、マネーフォワード・Sansanと共催で勉強会を開催しました。

120人もの応募をいただいた本イベント、少しだけ当日の様子をレポートします!

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金融、医療、HR、営業管理など、ITが十分に活用されてこなかった、ともすれば「固い」と思われがちな業界をITで変えていく、という共通点で集まった3社が、チーム作りや開発のノウハウをお話しました。

 

メドレーでは、まずはCTOの平山から弊社のサービスやチームをご紹介。医師とエンジニアが連携した独自の体制についてお話させていただきました。

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開発部の宮内からは、オンライン通院システム「CLINICS(クリニクス)」の開発の裏側についてお話しました。3月に開催したイベントでお話した内容を受けて「前回のあらすじ」から始まる斬新なプレゼンに、会場が沸きました(笑)。

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稲本からは、医療介護の求人サイト「ジョブメドレー」の開発についてご紹介しました。企業の採用情報のインフラとして、誰でも使える・信頼性の高いサイトをつくるための開発体制などをお話しました。

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speakerdeck.com

 

マネーフォワードさんからは、Rubyを使っている開発の日常についてご紹介があったり、Sansanさんからは徳島県のSansan神山ラボに山ごもりしての開発合宿の様子など、各社の特色が現れたLTが展開されました。

 

◆マネーフォワードさんのLTはこちら

"Rubyコミッター" "Railsコミッター"がいる日常 // Speaker Deck

BtoBプロダクト創りにおける体制と大切にしていること // Speaker Deck

◆SansanさんのLTはこちら

スマート山ごもりでアプリを高速開発する // Speaker Deck

Task Force ~ 20 percent time@Sansan ~ // Speaker Deck

プロダクトマネジメントのウソ・ホント // Speaker Deck

 

お待ちかねの懇親会!色とりどりの料理にがっつく一同…(笑)

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異業種3社が集まったイベントということもあり、参加者の属性もさまざま。参加者から登壇者にむけたLTへの質問はもちろん、お互いの開発ノウハウなどを情報交換し、とても盛り上がる時間となりました。

 

メドレーでは今後も、エンジニアの勉強会・交流会を積極的に開催します。

開催情報はFacebookなどでお知らせしておりますので、ぜひチェックしてみてください!